またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「済んだようですね」

 五月雨さんの声で廊下に出ると、皇子の部屋から側近の人達が出ていく所だった。

「優花殿。何かお困りのことがございましたら、なんなりとお申し付けくださいね」

 そう言ってくれたのは、イケメン塩谷さん。大人の余裕と色気を感じて、思わずどもってしまう。

「あ、ありがとうございます」

 その隣では、舎人さんがニコニコと微笑んでいる。本当、人の良さが顔に出ている。

「では、失礼します」

 去っていく二人の後ろには、大岩さんと境井さんがいる。大岩さんは目が合うとすぐに微笑んでくれるんだけど、その目が笑っていないとわかる。

 ……何かあの人、嫌な感じ。

 境井さんはヘコヘコとしながら、足早に去っていった。
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