またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 キス!?
 そう思ったけれど、皇子はもどかしい距離を保ったまま私を見つめている。

 __もどかしい。

 そう感じている自分に気付き、カッと顔が熱くなる。

「今日は、私が教えてやる」

 耳元で囁かれ、背中がゾクリとする。

「お、皇子?」

 いつもとは違う、掠れた大人っぽい声に心臓が爆発しそうだ。

「歌を、教えてやろう」

「う、歌?」

「少し待っておれ」

 パッと私の手を離すと、その瞳からその熱から解放される。私はただ、離れていくその背中をぼんやりと見つめていた。

 今のは、何だったの!?
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