またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「それはそれは」と、笑い出した皇子にムッとする。

 これを歌にしたら……。
 __お腹減る。とてもとても、腹が減る。
 こんな歌が、あるわけない。

「優花殿」

 手招きされた私は、皇子の隣に腰をおろす。

 昔の人が歌を詠むとは知っているし、歌が上手い程モテるという時代があったことも。そんな時代に生まれなくてよかったと、つくづく思う。きっと私は、お嫁に行けない。
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