またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 ……皇子って、睫毛が長いな。影ができてる。

「できたか?」

「あ、いや、まだです」

 慌てて目を逸らすと、今度こそ歌に意識を集中させる。

「こんな感じかな」

「どれどれ」

 真剣に私の歌を採点する皇子の姿を、まだ直視できない。

「なかなか、良いではないか」

「え?」

「優花殿らしいな」と、皇子がふわりと微笑む。

「最後に、ここに名を書くのだ」

 言われた通り、歌の下に名前を書くと皇子の細い指が私の名前に触れる。
< 128 / 204 >

この作品をシェア

pagetop