またキミに会うために~1400年の時を超えて~

「……これが、未来の字か。この名は、どのような意味があるのだ?」

「優しい花のような、おなごになるようにって」

 自分で言ってて、恥ずかしくなる。この名前は、お母さんが付けてくれたらしい。

「それは、とても良い名だな」

「あ、ありがとう」

「父上と母上はその名の通りに育った優花殿を見て、さぞお喜びであろう」

「そ、そうかな?」

 そこまで褒められると照れてしまう。

「皇子は、どうしてアリマって名前なの?」

「父上と母上が、アリマの湯の行幸の際に私が生まれたからだ」

 アリマの湯?それって……。

「有馬温泉!? そんな昔からあったの!?」

「優花殿の世界にもあるのか?」

「すごい有名!」

 そうだったんだ。
 まさか、温泉地から付けた名前だったなんて。じゃあアリマノ皇子って、有馬皇子って書くのか……。やっと、しっくりきた。
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