またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 さっきから、微動だにしない浜田の薄い後頭部を見つめながら途方に暮れる。

 自分のご先祖様の墓参りも手短に済ませるのに、他人のましてや遥か昔の人の墓前に長期滞在は辛すぎる。

 ……参ったな。

 見上げた空はどよんとした鉛色で、まるでこの心を表しているみたいだ。

 暇だけれどさすがにスマホは触れないし、お喋りもできない。

 何かないかと視線を彷徨わせ続けていると、赤く染まった紅葉が目に止まる。

 ……一人寂しく紅葉狩りか。

 なんてぼんやりと眺めていると、赤い葉がソヨソヨと揺れている。

 それはまるで、風が優しく葉を撫でているようだった。

 しかしその穏やかな光景は、すぐに小さな不気味さへと変わる。

 試しに、隣の黄色い葉に視線を移すと今度は見つめた先にある葉がソヨソヨと揺れる。

 ……どうして?

 さっきから、風なんて吹いていないはずのに。
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