またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「入るね」

 部屋に入ると、皇子は長い紙を持って難しい顔をしている。

「何? それ」

「文だ」

 どうやら、誰かからの手紙を読んでいるようだ。

蘇我赤兄(そがのあかえ)からの文だ」

 ……蘇我アカエ?入鹿(いるか)さんしか聞いたことがない。
 
蘇我馬子(そがのうまこ)の孫にあたる」

 そうなんだ。って、あれ?蘇我入鹿を殺したのは、中大兄皇子だよね?その身内の有馬皇子のことを、どう思っているんだろう。
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