またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 __それから三日後のこと。
 私は、飛鳥時代で温泉旅行に行くことになった。が、しかし……。

「……何。これ」

輿(こし)ですよ」

 お神輿は神様が乗るけれど、これは人を乗せるバージョン。ようするに人が担ぐわけだ。

 そこで、ここが飛鳥時代だったということを思い出す。当然、車も電車もないのだ。

「さあ、お乗りください」と、イケメン塩谷さんが差し伸べてくれた手をとる。すると、先に輿の中に入っていた皇子が顔を出す。そして「下がれ」と、半ば強引に塩谷さんから私の手を奪う。

 そんな態度をとったら元気だとバレちゃうじゃない!と、こちらがヒヤヒヤしてしまう。しかし、塩谷さんは何がおもしろいのかクスクスと笑っている。
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