またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「これは、失礼致しました」

「良いのだ~」

 皇子も気づいたのか、虚ろな目と間延びした口調に戻す。

 ホッとしながら皇子の隣に座って簾が下がったのを見計らい、話しかけようとしたけれど外から聞こえる掛け声に掻き消されてしまった。

「ひゃっ」

 輿がゆっくりと持ち上がり、動きだすのがわかる。身体が揺れて、思わず隣にいる皇子の腕を掴んだ。

「大丈夫か?」

「うん。って、ごめん!」

 至近距離の皇子から咄嗟に離れると、露骨に不機嫌な顔になる。

「何故、謝る」

 ドキドキしている私とは反対に、皇子の眉間にある皺がより濃くなる。
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