またキミに会うために~1400年の時を超えて~


「優花ちゃん?」

 
 ハッとして振り返ると、麻美が小首を傾げている。

「どうしたの? ボーッとして」

「いや。葉が揺れて……」

「え?」

「あ、いや。何でもない」

 麻美の怪訝そうな顔を見ながら、生物学の先生が言っていたことを思い出す。

 __私達が気づかないだけで、地球は動いている。

 そうだ。
 きっと、それだ。

 地面の振動で、紅葉は風がなくても揺れていたんだ。

 うん。きっとそう。と、自分に無理に言い聞かせる。

 しかし、あんなに揺れるものなのだろうか。と、考えては背筋が冷たくなるのを感じた。
< 14 / 204 >

この作品をシェア

pagetop