またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「私は明日から、真の己に戻る」

「それって、患うふりをやめるの?」

「そうだ」

 そんな、欺くための策を自ら辞めるなんて……。

「まさか、バレたの?」

「バレた?」

「えっと、知られてしまったの?」

「わからぬ。だが中大兄皇子が水面下で動きを見せているのは確かだ」

 __動き。
 途端に、背筋が冷たくなる。

「患っていようといまいと、私が邪魔なのだ」

 大王の地位を狙っていようといまいと、患っていようといまいとその存在が邪魔になる。前大王の息子という地位が故。

「で、でも、中大兄皇子は大王じゃないんでしょ?」

 本当に力があるのは、大王でしょ?
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