またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「確かに、大王は叔母上である」
「だったら」
「しかし、政治の実権を握っているのは別の者だ」
「それって……」
「中大兄皇子は己が実権を握るため、操れる者を大王の位につけた。斉明大王は、云わばお飾り」
「そんな……」
この世界を動かしているのは大王じゃない。中大兄皇子が、この世界を支配している。
「父上とてそのように思われていた故に、大王になられた。しかし、背いた」
「だから、難波宮に置き去りにされた……」
私の言葉に皇子は頷く。
中大兄皇子には、誰も逆らえない。
「案ずるな」と、私の心の中を見透かしたように優しい声で言う。
「そんな簡単に、殺されまい」
だけど、触れた温もりに思わず泣きそうになる。
「だったら」
「しかし、政治の実権を握っているのは別の者だ」
「それって……」
「中大兄皇子は己が実権を握るため、操れる者を大王の位につけた。斉明大王は、云わばお飾り」
「そんな……」
この世界を動かしているのは大王じゃない。中大兄皇子が、この世界を支配している。
「父上とてそのように思われていた故に、大王になられた。しかし、背いた」
「だから、難波宮に置き去りにされた……」
私の言葉に皇子は頷く。
中大兄皇子には、誰も逆らえない。
「案ずるな」と、私の心の中を見透かしたように優しい声で言う。
「そんな簡単に、殺されまい」
だけど、触れた温もりに思わず泣きそうになる。