またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「食べるか?」
「へ?」
目の前に差し出されたのは、紫色の飴。
「どうした? 難しい顔をしておったぞ?」
「え? あ、そう?」
アハハッと笑って誤魔化すと、揺れる輿の中で私は受け止った飴を口の中に頬張る。
ぶどうの味は、人工的で懐かしい味。
「美味だな」
「そうだね」
不安が大きくなっていく。
政治の実権を握っているのは、中大兄皇子だと言っていた。
だけど今、皇子が敵意がないことを伝えようとしているのは斉明大王。
きっと、これは賭け。
“__中大兄皇子が水面下で動いている”
その言葉の意味をその言葉の危険性を、皇子はきっと誰よりも理解している。
「へ?」
目の前に差し出されたのは、紫色の飴。
「どうした? 難しい顔をしておったぞ?」
「え? あ、そう?」
アハハッと笑って誤魔化すと、揺れる輿の中で私は受け止った飴を口の中に頬張る。
ぶどうの味は、人工的で懐かしい味。
「美味だな」
「そうだね」
不安が大きくなっていく。
政治の実権を握っているのは、中大兄皇子だと言っていた。
だけど今、皇子が敵意がないことを伝えようとしているのは斉明大王。
きっと、これは賭け。
“__中大兄皇子が水面下で動いている”
その言葉の意味をその言葉の危険性を、皇子はきっと誰よりも理解している。