またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 さっき、皇子は家臣達だけを連れて屋敷の中へと入って行ってしまった。

 侍女達は外で待つのは寒いからと、飛鳥宮の人が客室に通してくれて話が終わるのを待っている。

 それにしても、屋敷の大きさも使用人らしき人の数も半端ない。きっとこの中には、難波宮にいた人達もいるのだろうと思うと若干腹が立つ。

 しばらくすると、私達は女官に呼ばれ屋敷の外へと出る。するとそこには、既に皇子達の姿があった。

「どうだった?」

「斉明大王は、喜ばれておった」

 その笑顔を見てホッとする。
 中大兄皇子は?と、聞けなかったのは私の弱さ故。
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