またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 いつもは大人っぽいのに、こういうところは子供なんだよね。

 私だって普通の世間話しなら話せるけれど、舎人さんに恋患いと間違えられたなんて言えない。それは私が、皇子を意識している証拠。

 結局、皇子は夕餉の時もろくに会話をしなかった。寝るときは衝立があるからまだ気が楽だけど。

 目を閉じるとトクトクと自分の心臓の音がする。

 私と皇子とでは、身分も生きる時代も違う。私はいつか未来に戻るし、そうしたら皇子は過去の人になる。

 胸がキュッと締めつけられるけれど、それが事実。だけど、ずっと隣で笑っていて欲しいなんて望む自分がいる。
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