またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「恋煩いとは誠か?」

 静寂に伸びた皇子の声に、私は思わず起き上がる。

「聞いてたの!?」

「舎人と塩谷。どちらだ?」

「は?」

 上昇していた血圧が、急降下していくのがわかる。

「何、言ってるの?」

「そう見えたのだ」

 なんて皇子の目は節穴なのだ。

「塩谷さんも舎人さんも友達みたいなものです!」と、衝立を突飛ばし寝ている皇子の肩を掴む。

「聞いてる!?」

 私の勢いに、皇子は怯えながら首をコクコクと縦に振る。
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