またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「好いてはならぬ」

 思いがけない答えに呆然とする。

「どうしてよ」

 皇子だから、言い名付けがいるとか?

「私は狙われる身。それ故、誰も愛さぬと誓った。己の道に巻き込みたくないのだ」と、切ない声がポトリと落ちる。

 いつか自分は殺される。だから恋なんてしちゃいけい。

 何よそれ。そう思ったけれど、何も言えない。

 身分も立場も違う私に、皇子の気持ちはわからない。その命の危うさを、理解することなんてできないから。
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