またキミに会うために~1400年の時を超えて~
うさぎ
「痛たたた……」
背中の痛みで目を覚ます。
目の前には橙色の空。
そして黒いカラスが二羽、カァーカァーと鳴きながら飛んでいる。
どうやらいつの間にか、夕方になってしまったらしい。
そして私は、何故か倒れているようだけれどその前後の記憶が曖昧だ。
確か課外授業で呪いをする役に抜擢されて。藤白神社で風も吹いていないのに揺れる葉について行って。皇子の祠の前で麻美に呼ばれて………。
「あ!」
そうだ、お参りしないと!
スマホでゲームをしていて、そのまま倒れていたなんて意味がわからないけれど、さすがに浜田に怒られる。
しかし、咄嗟に起き上がった私はやっと異変に気づく。
私がいたのは、藤白神社のはずだ。
そして楠の下にいたはずなのに、どこを探しても楠も藤白神社の本堂もない。
それどころか……。