またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「……え」
「……っ」
見ず知らずの人がいた。
縁側のような所に座って、こちらをジッと見つめている。
縁側?
人?誰?
目が合った瞬間、相手が息を止めたのがわかる。
クラスメートでも、浜田でもない。見たことのない男の子。それも変な格好をしている。
「……兎の化身か?」
呆然と眺めていると、小さく動く形の良い唇からは澄んだ声が響いた。
……化身?と、そこで気づく。どうやら私は、兎の耳のついたパーカーのフードを被っていたようだ。
それにしても「化身」だなんて、どんなジョークだろうか。
「……あ、いや。これはフードで」
戸惑いながら口を開くと、少し離れた所で青年はせわしなく瞬きをしている。どうやら彼も、この状況をよく理解していないようだ。