またキミに会うために~1400年の時を超えて~
それにしてもおかしい。
私は藤白神社にいたはずなのに、何故か日本語の通じない青年のお屋敷にいる。
そもそも、どうやって移動したんだろうか。
……ダメだ。記憶が全くない。
「……藤白。……藤白」
と、青年がブツブツと呟いている。
「そう、藤白。熊野古道の近く」
その瞬間、何かを理解したかのように真っ黒な瞳が見開かれた。
「知ってるの!?」
「藤白は、キイノクニだ。お主は、キイノクニから来たのか?」
……キイノクニ?って、あ!!
突然、頭の中でカタカナが漢字に変換される。
「紀伊国ね! そう! 紀伊国の藤白!」
これで、一歩前進。たったそれだけでも伝わったことが嬉しくて今にも泣きたいぐらいだ。
彼が外人さんだったら、海外の言葉がわからない私には致命的。いや、確実に終わっていただろう。
私は藤白神社にいたはずなのに、何故か日本語の通じない青年のお屋敷にいる。
そもそも、どうやって移動したんだろうか。
……ダメだ。記憶が全くない。
「……藤白。……藤白」
と、青年がブツブツと呟いている。
「そう、藤白。熊野古道の近く」
その瞬間、何かを理解したかのように真っ黒な瞳が見開かれた。
「知ってるの!?」
「藤白は、キイノクニだ。お主は、キイノクニから来たのか?」
……キイノクニ?って、あ!!
突然、頭の中でカタカナが漢字に変換される。
「紀伊国ね! そう! 紀伊国の藤白!」
これで、一歩前進。たったそれだけでも伝わったことが嬉しくて今にも泣きたいぐらいだ。
彼が外人さんだったら、海外の言葉がわからない私には致命的。いや、確実に終わっていただろう。