またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 ニコニコと笑いながら肩の長さで切り揃えられた黒髪を、サラサラと揺らしている。

 愛嬌があって、可愛くて、頭も良くて。

 だけど、麻美が興味があるのは歴史だけ。

 もし私が彼女になれたなら、もっとその全てを利用するのに。

 例えば、頭が良くて容姿も良い彼氏をつくるとか。って、そもそもこの学校にそんな男子はいないけれど。

 そんなことを考えている私といえば、どこからどう見ても中の中。外見も中身も、悲しいことに何一つ秀でた部分はない。

 麻美のように強く引かれる何かもないし、毎日を何となく生きている。他の子のように学問や部活や恋愛に精を出す気力も、持ち合わせてはいない。
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