またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「皇子様は、誠にお優しいのですね」と、女子達がクスクスと笑った。
チャンス!今だ!
「ごめんください」
私は、縁側に背筋を伸ばし正座をすると大きな声を出す。
「誰じゃ!?」
一人が襖を開けるのと同時に、私は深々と頭を下げた。
「私は昨日、助けていただいた兎であります。アリマノ皇子《みこ》様にお礼をと、月より参りました」
「な、何だと!?」
一瞬にして、女子達がザワツク。
そりゃあそうだ。
兎の耳つきフードを被った女が、いきなり鶴の恩返し風に現れたら驚くだろう。
いや、私の頭を疑われる。
だけどこうすれば上手くいくと、皇子が言ったのだ。
絶対に上手くいくはずがないと思いながらも、皇子を信用するしか道はなかった。
「これは、これは。昨日の兎ではないか~」
何故か、虚ろな目をした皇子が私にゆっくりと近づく。
チャンス!今だ!
「ごめんください」
私は、縁側に背筋を伸ばし正座をすると大きな声を出す。
「誰じゃ!?」
一人が襖を開けるのと同時に、私は深々と頭を下げた。
「私は昨日、助けていただいた兎であります。アリマノ皇子《みこ》様にお礼をと、月より参りました」
「な、何だと!?」
一瞬にして、女子達がザワツク。
そりゃあそうだ。
兎の耳つきフードを被った女が、いきなり鶴の恩返し風に現れたら驚くだろう。
いや、私の頭を疑われる。
だけどこうすれば上手くいくと、皇子が言ったのだ。
絶対に上手くいくはずがないと思いながらも、皇子を信用するしか道はなかった。
「これは、これは。昨日の兎ではないか~」
何故か、虚ろな目をした皇子が私にゆっくりと近づく。