またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「優花殿は、私の側におくぞ~?兎の化身だ~。皆も大事にするようにな~」

 と、虚ろな目で皇子が笑う。

 だから、その顔やめてよ!怖いんだってば!

「ぎょ、御意」

 しかし、素直に平伏す3人を見て皇子の言った通りだと思った。

 彼女達の瞳を見れば、誰も疑っていないことがわかる。こんな茶番劇でも信じてしまう程、彼女達の中で皇子の言葉が全て。

 と、いっても皇子自身も「兎の化身」だと本気で信じている。もしかしたら、そもそもこの時代の人達は人知を超えた世界を信じやすい傾向にあるのかもしれない。

「優花殿も食べてみよ~」

 私は素直に、皇子の隣に置かれたお膳の前に座る。正直、外でしばらく待機していたから身体が冷えたしお腹も空いている。

 三人に信じてもらえたことにホッとしながら、お膳に並ぶ料理を眺めてギョッとする。
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