またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 何か混ざったご飯。野菜や魚介類の小鉢。お漬け物に、汁物。デザートには小豆。合計十三品目はあるだろう。お膳の上は、想像よりも遥かに豪華で賑やかだった。

 正直、飛鳥時代の食事はもっと質素で食材も乏しいイメージだったけれど、皇子という高貴な人物の食事はいつの時代も特別なのだろう。

「では、本当に優花様にお任せしてよろしいのでしょうか?」

「あ、はい!」

 何を任せられるかわかぬまま、取りあえず頷くと侍女達はそそくさと部屋から消えていった。

「さあ、早く優花殿も食べよ」

 と、通常運転を始める皇子。

 もしかしたら、彼は役者なのかもしれない。
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