またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「……本当は、私な未来から来たの」

 皇子は黙ったまま、目をパチクリとさせている。

「ここから、1400年ぐらい後の未来から」

「……1400年」

 その果てしない数字に、やっと口を開くと固まっている。

「私も、皇子と同じ気持ちだった。1400年前の世界なんて想像できないし、本当に存在していたのかすら疑ってた」

 目の前で動いてる姿なんて、歌を詠む姿なんて想像できなかった。

「だけど、存在してた。同じように、未来も存在してるの」

 こんなこと、信じてもらえないかもしれない。だけど、いつも真っ直ぐなその瞳と私もちゃんと真っ直ぐに向き合いたいから。
< 73 / 204 >

この作品をシェア

pagetop