またキミに会うために~1400年の時を超えて~

友達

「……10日」

 朝起きると、私は皇子からもらった木簡に正の字を書き足す。この時代に来て何日経過したのか、わかるように始めた。

 皇子に紙がないか聞いたら、この時代では高価だから変わりに細長い木の板を渡されたのだった。

 ……それにしても寒い。

 この時代の暖房器具は火しかない。ストーブで育った私からしたら、この室内は外より少しマシな程度。夜には一層冷え込み、ガタガタと震えてしまう。
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