またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 皆は寒くないのだろうか……。チラッと隣を盗み見ると、至って寒さを感じさせない佇まいに驚く。どうやら、昔の人と未来の人では、体感温度まで違うようだ。

 今日も皇子は、私の隣でただ外をボーッと眺めている。基本、引きこもり生活をしているけれど……。

「ねえ。飽きないの?」と、思わず本心を口にすると皇子が振り返る。

「何がだ?」

「何がって、さっきから同じ景色ばかり見てるじゃない」

 すると、皇子はふわりと笑う。

「同じ景色などないぞ?」

「え?」

「同じように見えるが、毎日毎日景色は変わっている。その変化を見つけるのが楽しいのだ」と、満面の笑みで言われても困る。

「ほれ。あの鳥を見よ」

 皇子は、木の枝に止まっている雀を指差す。

「少しすると、飛んでいくであろう。そうするともう、先程までの景色はどこにもないのだ」

「そりゃあ、そうだけど……」
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