またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「あ! 皇子。その帽子貸して」

「こ、これか?」

 皇子が被っている、黒い尖り帽子を借りる。

「これで、叩くものと被るものがそろったね。まずジャンケンをして、勝ったらこれで頭を叩く。負けたらこれを被って頭を守る」

「あ、頭を叩くのか!?」

「軽くね」

 驚いている皇子はさて置いて、ゲームを始める。

「「叩いて被ってジャンケンポン!!」」

 よし!私はハエ叩きで、皇子の頭を叩く。ワンテンポ遅れて、帽子を被ろうとした皇子が固まる。

「やった! 皇子遅っ!」

 思わず爆笑してしまう。
 こんな時までこの人は、優雅に帽子を被ろうとしていた。
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