またキミに会うために~1400年の時を超えて~
 ポカンした顔で固まっていた皇子の顔が、動き出す。

「ははは」

 そして、声を出して笑い出した。

「優花殿は素早いのう」

「もう! 皇子が遅いだけ! もっと素早く被らないと! 次行くよ!」

 それから数回繰り返すと皇子も慣れてきたのか、だんだん動きも早くなってきた。

「ほい!」

「よっ!」

 だけどまだ一度も、私の頭を叩けていない。どうやら皇子は、叩きかたすら優雅だ。その姿見ているだけで、笑っちゃう。
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