またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「っ……なかなか、難しいのう」

「…皇子。……もっと早く動く!」

 この遊びは、なかなか疲れる。

「「叩いて被ってジャンケンポン!!」」

 行くぞ!私はハエ叩きを持って、思いっきり手を振り上げる。皇子は可憐に帽子を被る。ワンテンポ遅れて、私のハエ叩きが皇子の被っている帽子にあたる。

「やったぞ!」

 私の攻撃を阻止できたことが、よっぽど嬉しいのだろう。本来なら引き分けだけど、まぁいいか。皇子は後ろにひっくり返る。私はハエ叩きを放り投げ、前のめりに倒れる。

 ……地味に疲れた。

 さっきまで冷えていた身体からは、ジンワリと汗が滲んだ。
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