またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「ははっ。やはり優花殿は、愉快だ」

「愉快なのは、この遊びじゃなくて?」

 別に私が、何か面白いことをしていたわけではないと思うのだけれど。

「この遊びも愉快だが、私の頭を迷いなく叩く優花殿は愉快極まりないぞ」

 ……頭?と、そこでハッとする。

「あ! ごめん!」

 そうだ。この人は皇子。わかっていたのに、忘れていた。頭を叩くなんて、畏れ多すぎる。

 全身から変な汗が噴き出している私とは反対に、皇子は嬉しそうに笑っている。

「皆は、私を敬ってくれる。されどそれは、とても寂しいことだ」

「寂しい?」

「このように、共に遊ぶことも笑うこともない」

 衣ずれの音が、静かな部屋に響く。そして私の頭に、温かな温もりが触れる。
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