またキミに会うために~1400年の時を超えて~

「握手」

「アクシュ?」

 私は握った手を、ブンブンと上下に振る。

「友達の記し」

「友の……」

 型の良い唇が小さく動く。

「友……」

 そして優しく弧を描く。

「優花殿と私は友だな」

 皇子の手が、この手をしっかりと握ってくれる。そしてブンブンと私の真似をし手を動かす。

 無邪気に笑うその顔が、皇子には一番似合っている。それに皇子が笑っていると、私まで嬉しくなるから。だから、傍にいたい。皇子が笑えるように、友達として。
< 91 / 204 >

この作品をシェア

pagetop