またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「皇子。休憩しようか」

 さっき五月雨さんが、飲み物を持って来てくれた。と、言ってもただの水。しかし、この時代の水は冷たくてとても美味しいから不満はない。

 皇子は私の隣に座ると、水をゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる。その行動は、本当私の周りの男子と変わらない。

「優花殿は、色々な遊びを知っているのだな」

「そんなことないよ」

「身体を動かすとは、気持ちの良いものなのだな」

 ケンケンパッは運動なのか?と、思ったけれど基本は縁側で外を眺めているだけの皇子にとったらなかなかハードだったかもしれない。

「じゃあ明日は、座ってできる遊びをしようか」

「楽しみだ」

 ニコニコと笑う笑顔に、私はさっき時雨さんから受け取った袋を差し出す。

「食べる?」

「何だ? これは?」

 えっと、この時代に飴ってあるのかな?

「とりあえず、食べてみて」

 皇子の手の平に赤く丸い飴を乗せると、その飴を何故か太陽の光に翳している。そして、溜め息を漏らした。
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