またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「……美しい」

 え!?た、だの飴だよ!?
 ギョッとしながら私も真似をしてみると、確かに太陽の光が透けて見える。この光景が、皇子にとったら美しく見えるのか……。

「良い匂いがする」

「それは多分、苺味」

「イチゴ?」

「果物だよ。早く食べてみてよ」

 そう即すと、皇子は飴を頬張りながら目を閉じる。しかし、すぐに瞳を大きく見開いた。

「……な、何と上品な味なのだ。それに、消えていくではないか」

 じょ、上品?
 あ、この時代って砂糖ってあったのかな?

 あったとしても、きっと高価なものなのだろう。浜田が、昔は砂糖が貴重だったと言っていた記憶がある。
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