サンタクロースはいるんだよ?【短編】
「コンバンハ、ワタシガ、サンタクロースダーヨ」
カタコトの英語風の日本語で
気づいたらそう言ってた。
人間って追いつめられたら何するかわかんないなー
頭の中まっ白。
俺、バカだろ…。
絵梨は一歩一歩近づいてきて
じっと俺の顔を見つめる。
あーーおしまいだ
‥バレる…
俺は目をギュッとつぶって下を向いた。
「サンタさん?」
「へっ?」
「なんで絵梨の家にサンタさんがいるのー?♪」
・・・・・?
あれっ?
本当に気づいてないの!?
顔を上げると、キラキラした目でこっちを見てる絵梨がいる。
マジ絵梨鈍すぎだろ…こんな微妙な変装で俺ってわかんないなんて。
しかも
知らない他人がいきなり部屋の中にいたら普通
「泥棒ーー!!」とか
「変態ーー!!」って
叫んだり、驚いたりすんだろ。
なんでそんな冷静に感激しちゃえるわけ…。
絵梨の神経ってどうなってるんだよ‥?