サンタクロースはいるんだよ?【短編】
「ねっ?サンタさん、絵梨は何もプレゼントおねだりしてな・・・
キャッ!!」
自分の格好も忘れて、絵梨のことを抱きしめてしまった。
「サンタ・・・さん?」
「バーカ、絵梨はもう少し欲張っていいんだよ」
「もしかして…幸ちゃん?」
体を離して、じっと俺の顔を見つめる絵梨。
やっぱり気づいてなかったんだ…マジで。
「相変わらず鈍すぎだなぁー絵梨はさ」
もぉーバレてもいっか。
俺は付けヒゲと帽子をはずして絵梨に素顔をさらした。
「えーーっ!!幸ちゃんってサンタクロースだったの!?今まで知らなかった…」
「ちげぇーよ!!絵梨を喜ばせたくってサンタクロース役をやってたわけさ。ビックリした?」
「ビックリしたよ!!
しかもこれ幸ちゃんが買ってくれたの?付けてみていい?」
絵梨が嬉しそうに持っていた四つ葉のクローバーのネックレスを後ろに回って
俺が付けてあげた。