私のボディーガード君
「それから、その」と言って、三田村君が言いづらそうにこっちを見た。
「何?」
「いや、その、妃奈子さんのファースト……」
だんだん三田村君の声が小さくなって、後に続く言葉が聞こえない。
「ファースト何?」
「えーと、だからですね」
コホンと咳払いした三田村君の頬がわずかに赤くなっている。
「どうしたの? 三田村君、顔が赤いけど」
「何でもないです。とにかくお酒は慎むように。忠犬だって、噛む事はあるんです」
忠犬?
一体何の事を言っているんだろう?
「以上。この話は終わり」
パンっと三田村君が手を叩いた。
これ以上は聞くなと言っているみたい。
「妃奈子さん、早く食べて下さい。遅れますよ。本のサイン会があるんでしょ?」
そうだった。今日は書店で女性ファン限定のサイン会。
大学がお休みだから油断していた。
「わー、三田村君、もう出なきゃ。担当の田中さんから電話かかってきてる!」
「妃奈子さん、パジャマのままですよ。ちゃんと着替えて下さい」
三田村君にいろいろと突っ込まれながら仕度をして何とか家を出た。
ギリギリ、サイン会にも間に合い、集まってくれた300人のお客さんにサインも出来た。
控室で休んでいると、担当の田中さんにドキッとする事を言われた。
「妃奈子先生、新しい恋人ですか?」
三田村君の方を見て田中さんがニヤッと笑った。
不意にこっちを見た三田村君と目が合って、心臓が飛び出そうになった。
あれ? どうしたんだろう。
なんか急にドキドキして、三田村君が輝いて見える……。
「何?」
「いや、その、妃奈子さんのファースト……」
だんだん三田村君の声が小さくなって、後に続く言葉が聞こえない。
「ファースト何?」
「えーと、だからですね」
コホンと咳払いした三田村君の頬がわずかに赤くなっている。
「どうしたの? 三田村君、顔が赤いけど」
「何でもないです。とにかくお酒は慎むように。忠犬だって、噛む事はあるんです」
忠犬?
一体何の事を言っているんだろう?
「以上。この話は終わり」
パンっと三田村君が手を叩いた。
これ以上は聞くなと言っているみたい。
「妃奈子さん、早く食べて下さい。遅れますよ。本のサイン会があるんでしょ?」
そうだった。今日は書店で女性ファン限定のサイン会。
大学がお休みだから油断していた。
「わー、三田村君、もう出なきゃ。担当の田中さんから電話かかってきてる!」
「妃奈子さん、パジャマのままですよ。ちゃんと着替えて下さい」
三田村君にいろいろと突っ込まれながら仕度をして何とか家を出た。
ギリギリ、サイン会にも間に合い、集まってくれた300人のお客さんにサインも出来た。
控室で休んでいると、担当の田中さんにドキッとする事を言われた。
「妃奈子先生、新しい恋人ですか?」
三田村君の方を見て田中さんがニヤッと笑った。
不意にこっちを見た三田村君と目が合って、心臓が飛び出そうになった。
あれ? どうしたんだろう。
なんか急にドキドキして、三田村君が輝いて見える……。