私のボディーガード君

三田村君の正体

三田村君は神宮寺綾子さんの事は古い知り合いだと言っただけで、詳しく教えてくれなかった。

ますます三田村君が信じられなくなる。私には何でも話してくれると思っていたのに。本音で話せる相手だと思っていたのに。でも、違ったみたい。三田村君は私に秘密にしたい事が多いよう。

神宮寺綾子さんの事も、倉田浩介の事も……。
やっぱり今回の誘拐事件は母の策略かもしれない。秋山さんも三田村君も知っていて、知らないのは私だけで……。

浅羽と会った次の日、浅羽からメールをもらった。知人の記者は今、取材で東京を離れているそう。帰って来るのは一週間後のよう。記者に会えるのは来週になりそう。一刻も早く本当の事を知りたいから、もどかしい。

スマホを置いて、はっとため息をつくと、後ろで控えていた三田村君が「何か悪い知らせでも?」と聞いてきた。

「別に」
記者に会う事は三田村君に話していない。三田村君が秘密を持つならこっちだって持ってやる。

それにしても、朝から大学の研究室に三田村君と2人きりでこもっているから息がつまる。気分転換に友美のカフェに行こうか。そろそろお昼だし。

でも、三田村君がついてくる……。

今日の警護は若林さんが良かった。

こんな風に思う私も勝手だな。
あんなに三田村君と離れる事が嫌だったのに。
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