私のボディーガード君
ベンチから立ち上がって、駐車場の方へ歩き出すと、三田村君がついてくる。

「妃奈子さん、ちゃんと話して下さい。心配になります」
「大丈夫、大丈夫。大した事ないから」
「大した事ないって言う時はだいたい大した事あるんですよ」

心配そうに怒りながら言ってくる三田村君が可笑しい。前よりも三田村君がハッキリと言うようになった。

三田村君と心の距離が近づいた気がして、くすぐったいような、嬉しいような気持ちになった。

「わかった。わかった。みっくん、そんなに怒らないで」

駐車場で三田村君に言うと、三田村君が照れたように頬を赤くする。

「な、みっくんって……」
「みっくん行こう」

みっくんの手からスマートキーを取り、ピッと目の前の黒いSUVを解錠して、運転席に乗り込んだ。

「妃奈子さんは後ろ」
「えー、偶には運転したい」
「ダメ。俺が運転。早く後ろに行く」
「じゃあ、助手席」
「しょうがないな」
「わーい。みっくんありがとう」
運転席から助手席に乗り込んだ。初めての助手席は新鮮で胸がるんるんしてくる。三田村君とドライブ楽しみ。
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