私のボディーガード君
言いたい事がどんどん溢れてくる。

ボディーガードが終わった後、お酒を飲みに行こうって約束したのに、なんで家に帰って来ないの?

私たち幼なじみなんでしょ? 
私が12歳で三田村君が5歳の時に会ったんでしょ? 
ずっと佐伯妃奈子を捜していたって言ってたじゃない?
もう三田村君は佐伯妃奈子に用事はないの?

好きにさせといて、いなくなるなんてズルい……。

胸の奥から喉の奥へと熱いものが伝わって、涙が浮かぶ。

「ひな、はい」

友美がティッシュを渡してくれた。
チーンと鼻をかんで、丸めたティッシュを勢いよくゴミ箱に捨てた。

もう、こんな自分が嫌。
三田村君の事でうじうじしているのも嫌。

よし。三田村君に電話してやる。

そう思った時、握りしめたスマホが鳴った。表示された名前に思わず、息を飲み込む。

「ひなちゃん、お見合いの話が来てるんだけど」

電話に出ると母がそう言った。
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