私のボディーガード君
「ごめんなさい。私が軽率でした」
「素直でよろしい」

クスッと三田村君が笑う。柔らかな笑顔が眩しい。久しぶりに会った三田村君はやっぱりイケメンだ。特に今日なんてスリーピーススーツでカッコいい。今、心臓が壊れそうな程、ときめいてる。

「でも、防犯グッズをちゃんと持って行った事は褒めてあげます。そのおかげで妃奈子さんの居場所がわかりましたから」
「え? あの防犯グッズで私の居場所がわかったの?」
「防犯ブザーにGPSを仕込んでありましたから。妃奈子さん、事件の後も毎日、防犯ブザー持っていたでしょ? 大学と家を行き来している事がわかりましたよ」
「嘘ー! 私の行動を見ていたの?」

ほとんど家にいた事がバレて恥ずかしい。

「妃奈子さん、引っ越さなかったんですね。俺と暮らした家に今も住んでいて」
「だって、三田村君が帰ってくる気がしたから」

この一ヶ月、ひたすら三田村君の帰りを待っていた。

いつ三田村君が帰ってくるかわからなかったから、仕事も家に持ち帰ったし、買い物もネットスーパーで日用品や食料品を頼んでいた。

自分でも呆れる程、三田村君の帰りを待つ生活を送っていた。
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