私のボディーガード君
「秋山さんに確認しましたが、私たちが千葉県にいる事は大臣も、事務所のみんなも知らなかったようです。ですから、大臣の線から居場所が漏れたとは思えません。妃奈子さん、SNSとかってやっていますか?」

三田村君が探るような厳しい目を向けてくる。

「私を疑っているの? 自分から居場所をばらすような事はしていません。友美にだってどこにいるか言っていないし」

「写真を送ったりしていませんか?」

写真……。

あ、そう言えば、野島崎灯台から撮った海の写真を友美に送った。

「どこにいるかは言わずに写真だけは送ったけど」

三田村君が腕を組んでため息をついた。

「友美さんはその写真を誰かに見せませんでしたか?」
「そんな事する訳ないでしょ。友美は私の事情をわかっているんだから。それに送った写真に灯台は映ってないし」

スマホを取り出して、三田村君に友美に送った海の写真を見せた。

「海だけではなく、陸も映っていますね。それに記念碑らしきものも見える。陸の形と記念碑、それから写真を撮った角度から探そうと思えば探せます」
「たったこれだけの情報で?」
「私だったら一時間もあれば見つけますよ」
「じゃあ、この写真から居場所がバレたって事?」
「そう考えるべきでしょう」
「そんな……。友美が裏切ったって言うの?」
「裏切ったとまでは言いませんよ。妃奈子さんの居所を知らせる事になるとは思わず、誰かに見せてしまったんでしょう。友美さんに確認してみて下さい」
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