私のボディーガード君
「安全な場所なんてどこにもない気がして来た」

ため息をつくと、「妃奈子さん」と言って、三田村君が安心させるように私の肩に手を置いて、トントンと優しく叩いてくれた。不思議と三田村君に触れてもらうと気持ちが落ち着く。男性に触れられるのは苦手なはずなのに。

「私が妃奈子さんの安全な場所になります。私といる時は絶対に妃奈子さんは安全です。襲われても私が盾になり必ず守ります」

誓うように言った言葉が胸の深い所まで響いた。
三田村君の側にいれば大丈夫だと思わせてくれる。三田村君はいつも安心感をくれる。

「三田村君、ありがとう」
肩に触れた三田村君の手をギュッと握ると、温かかった。

三田村君の側にいたいという気持ちがお腹の底から湧き上がってきて、気づけば自分でも信じられない事を口走っていた。

「三田村君、私と一緒に暮らして下さい。三田村君がいてくれれば家でも安心できるから」

黒い瞳が意外そうに大きくなった。
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