私のボディーガード君

同居生活

新しい年が来てすぐに引っ越しとなった。

三田村君が用意してくれた住まいは住宅街にあるごく普通の二階建ての家だった。タワマンの高層階だったらエレベーターで苦労するなと思っていたからほっとした。一軒家なら、男性とエレベーターで乗り合わせる事もないから安心。

家は表通りの目立つ所にあり、外の塀と、庭と、玄関に監視カメラも設置されていて、ホームセキュリティもついていた。

住んでいた女性専用のマンションよりもセキュリティはしっかりしていそう。

それに三田村君もいるし。

間取りは4LDＫで、二階にある三部屋の内、二部屋を寝室と書斎に一部屋ずつもらった。一階にあるリビング、ダイニングキッチン、お風呂は三田村君と共用だ。

三田村君の部屋は一階の玄関脇にある6畳の部屋で、ビジネスホテルの部屋みたいに最低限の必要な物しかなくて、何となく寂しい感じがした。

「明日から大学が始まりますよね」

夕食の席で三田村君が切り出した。

食事は交代で作ろうと私が提案して、今日は私の番。お雑煮と、おせち料理の残り物をダイニングテーブルに並べた。

「この家からだったら8時に出れば間に合うと思うけど」
「そうですね。8時出発で手配しておきました」

うん？　手配しておいたって何を？

「実は明日から三日間、私ではなく別の物が妃奈子さんの警護にあたります」

えっ！　三田村君じゃなくなるの！
< 83 / 210 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop