夏恋サテライト
「暑かった?」
「いや、平気。玄関だし」
待ち合わせというか、棗に迎えに来てもらう予定時刻は10:00。
棗はピッタリ来てくれた。
というか、10分前にはうちの前にいたのを窓から目撃していた。
私についたと連絡してきたのは時間通りの10:00ぴったり。
結構きっちりしてるんだよ、棗。
というか私がごめんまだ準備できてない!とメッセージを送っていたからインターホンを押すのを躊躇ってしまったのかもしれない。
涼介が家にいるからと一瞬玄関に入るのを拒まれたけど、外は暑すぎるから中に入ってもらった。
炎天下で15分も待たせてたら帰っちゃってたかも。
「いつもとどこが違うでしょう」
「髪」
そう即答して棗は私が気合を入れまくって巻いたウェーブの髪を一束すくう。
この余裕がずるい。
付き合う前だったら絶対に知らねって言ってただろうに
変化に気づいてもらうってこんなにも嬉しいだなんて気づかなかった。