夏恋サテライト

「お前はそのままでいいって意味」


「…あ、さっきの」




ふと先程の自分の発言を思い出した。



たしか棗に直接言ったっけ、棗がスーパー彼氏だから私もっと頑張るって





「お前に完璧なんか求めてない」


「えと…それは妥協?」




いつの間にか涙は引っ込み、文豪のような難しい日本語で話す棗に必死に頭を働かせる。




私に完璧彼女が無理だと言うなら、それは頑張り次第だから見守って欲しい


さすがに棗のようにはいかないだろうけど


棗と付き合えて羨ましいって言われるんじゃなくて、あの二人お似合いだねって言ってもらえる人間になりたいんだ。





「妥協じゃねえわ。鈍感」


「うわあ急に真顔」





穏やかな顔をしていた棗はスっと真顔になってそのまま私を見下ろす。




迫力満点

20cm以上身長の高い棗に真顔で見られると結構怖いんだよ。



本人には言わないけどね。


こりゃ女の子たち遠目から鑑賞しますわ。




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