夏恋サテライト

「棗って身長何センチ?」



「180」



「高っ…」





私は154cmだからその差なんと26cm。



棗の目線から見える景色はきっと私とはまるで別物なんだろうな。




「理想の身長差って15cmなんだって。私全然足りないね」





5cmヒールで盛ってるとはいえ頑張って背伸びをしてみてもようやく目線が棗の首あたり。



全然足りないなハイヒール買わないとかな…





「へぇ。それは何においての理想なの?」



「え……キス、とか?」





ドキドキしながら少し上目遣いで棗を見上げる。




誰ですか、さっき棗あざといとか言った人。


完全にブーメランじゃないですか。





「…こんなとこでしねえわ」

「ですよね」





わかってたわかってた。



棗は人前でイチャイチャするカップルに1ミリも共感できないタイプだった。




私も人前でイチャイチャしたい訳じゃないけど

2ミクロン期待してた30秒前の私お願いだから消えてくれ。虚しくなる。




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