夏恋サテライト




「〜っ!!」





それだけでも、私には十分すぎる爆弾なのだ。





「なにしてんの、早く降りなよ」



「っ、誰のせいだと!」



「うれしいくせに」

「うれしいよっ!!!」




なんだそれ、なんて笑いつつも棗は私を迎えにまた階段を登ってくる。




下で待ってるんじゃなくて迎えに来ちゃう。


棗のいいところ。


王子様みたいなところ。





「惚れてまうやろ…」

「そ」




芸人みたいな声が漏れたことに関してはもはや突っ込んですらくれなかった。




心臓が暴れすぎて繋いだ手からもバレてしまいそうでヒヤヒヤする。


棗のちょっと冷たい手が私は好きだ。





「まだ惚れてなかったの」



「へ?」



「いや」



「…っ!惚れてます!超惚れてます!めちゃめちゃ大好きです今日も生まれてきてくれてありがとう」



「ふっ、よくもまあそんな恥ずかしげもなく…日本語めちゃくちゃだし」





笑いつつも棗はどこか満足気に見えた。




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