夏恋サテライト
出会った頃の棗。
私が不審者(ストーカー)だったのもあるけど、いつも眉根を寄せていたイメージ。
ずっと難しい顔をしていたっけ。
「いつからだろう、こんなに笑ってくれるようになったの」
「しらね」
「私の影響なら嬉しいからいいや」
「他にいないだろ」
きゅん。
なんだその発言。
お前以外ありえないだろ、みたいな
お前にしか笑わないよ、みたいな
ああ、私の彼氏が尊すぎる。どうしよう。
誰にも見られない場所に閉じ込めたい。しないけど。
「ほら、百面相」
「棗のせいだよ」
「そ」
棗の “ そ ” は嫌いじゃない。
興味無いんじゃなくて、なんていうかそれでいいよみたいな意味だと私は思ってる。
基本的に棗が長文で話すことはあまりないから。