夏恋サテライト
「どうせ私なんか…」
「えー扱いずら。いつものバカポジティブどこいったの」
「あれは棗限定なの…」
「これも棗絡みだけどね」
「だって…!!棗いままで女の子の影なんか一瞬たりとも見せたこと無かったのに…!」
「さりちがウロウロしててほかの女の子の牽制になってたからねぇ」
そりゃ良かったさ。
私がウロウロしてたお陰で魔除になったんでしょう?
遠目で見守ってるだけだったら今頃きっと他の子と…
ああ考えるのやめよう。心がどんどんダメージをおっていく。
「なんせさりち出現前は棗がどんなに冷たくあしらってもそれにキュンとくるとかいう変な子も多かったからね」
「それ私と一緒じゃ…?」
もしや私も棗にとってかなりかなり変な子だったのでは…
あ、いやこれは確実にそうなんだった。
本人にも言われてた。
「全然違うよ、冷たくされたいがためにかまって欲しくて私物盗んだり付け回したりする子いたからね」
「ストーカー…!?」
「そ。だからさりちが棗公認ストーカーとか言い出したって聞いた時はついに棗も疲れて頭おかしくなったかと思った」
がちうける、なんて柏崎くんは大爆笑。
そんな背景があったなんて知らない私は口あんぐり。